2018年6月23日土曜日

いなか暮らし なんと贅沢な水 水道の仕組み

水道はちゃんとあります。しかもかなり贅沢です 


うちの家族の住んでいる地区は山の中腹にあります。
うちの地区から上に家も道もないので、水は集落を流れる谷の上のほうの水を引いて使っています。


簡易水道のしくみ


谷からパイプで水をひき、まず沈殿槽に貯めます。
沈殿槽は、200リットルくらいの容量のコンクリート造りの水槽が3つ並んでいます。

1つ目の沈殿槽に水が流れ込んでいっぱいになったら、水があふれ、あふれた水が2つ目の沈殿槽に、2つ目の沈殿槽が溢れたら3つ目の沈殿槽に、と流れてゆきます。

要するに谷からひいた水は、細かい砂や、土が混ざっているので、沈殿槽に沈殿させ、上のほうの水を次に送る仕組みです。

3つ目の沈殿槽の上のほうには水を送るパイプがあり、そこから送られた水は貯水槽に貯められます。

この貯水槽に貯めた水が、集落の水道となるのです。



え、これだけで大丈夫?不衛生じゃないの?


沈殿するだけだから、要するに谷の水、そのままじゃないの?不衛生じゃないの?と、思われる方もいるかもしれません。

大丈夫です。役場が定期的に水質検査をしてくれていますが、雑菌などの発生はない、という結果になっています。

実は、うちの集落の貯水槽には、塩素投入装置がついています。


浄水場よりも、高い位置にある集落などによくある、「簡易水道」というしくみは、この方式のようです。

うちの集落のような沈殿槽方式や、または砂などを厚く敷いて、そこ水をくぐらせるろ過槽方式で、水の汚れを取り除き、一定量の水が出ていくと、一定量の塩素が水に投入される。これで、雑菌がでなければ、水道として十分なわけです。


塩素投入装置が機能してないんですけど?


ところが、うちの集落では、この塩素投入装置が動いていません。
集落の人に話を聞くと、昔地区の誰かが役場に行ってこの塩素投入装置を取り付けた。
ところが、「こんなおいしい水をわざわざ塩素で消毒する必要なんかない!」と地区の皆が怒って使えるのを使うのをやめたのだそうです 。

たしかに、上流に家などはないですし、谷を流れてくる水はきれいです。役場が定期的に水質を検査してくれていますが雑菌などが見つかったことは一度もない、消毒してないと水が綺麗じゃないなどということは全然ないのです。


これぞ贅沢な水


塩素消毒をしてないので 家の水道の蛇口から出る水は金魚の水槽なんかもすぐに使えます。

以前、いただいた鮎を洗面台に泳がせてみたことがありました(笑)。 洗面台で泳ぐ鮎に子供達は大喜びでした。


水道の掃除は年に1度のお仕事


年に1度、この水道装置を地区の皆で清掃をします。
もうこの集落に住んでいるのはうちともうひと家族の二家族だけ。でも今はこの地区を離れて下の町で暮らしている人たちも何人か来てくれますのでみんなで掃除をします。

自分自身で水道水が管理できるということも実はものすごく贅沢なことなんじゃないかと思ったりもします。

水道掃除をしてうれしいことがあります。
貯水槽の深さは3mくらいあり、いつもは、ほぼ満水で、オーバーフローしているのですが、空になった貯水槽に再び水がたまると、その後の数日は、水が真っ白になるんです。

それは、新鮮な谷の水が、貯水槽の3mくらいの高さから落ちて溜まるため、細かくなり、空気を含んで真っ白に見えるのです。

そう、滝壺のあたりのような、空気を含んだ、細かいクラスタのおいしい水。

それが蛇口から出てくる・・・なんと贅沢!

いいことだけでもないんだけれど

もちろん、ちょっと残念な時もあります。
大雨が降って谷が濁った時などは、沈殿槽では間に合わず、水道水も少し土色に濁ります。

台風が来そうな時などは、水が濁る前に容器に飲み水を確保しておきます。

子供たちが小さかったころ、緊急時は、水が濁るのは仕方ないかなあなどと思い、子供にお風呂に入るよう言った時、濁ったお風呂の水を見て子供達が叫びました。

「やった!お風呂が温泉になった!」

たとえ濁っても、贅沢な水(笑)

いなか暮らしの楽しみは尽きません。



いなか暮らし、里山に暮らすこと、町で暮らすのとはちがう価値観の日々
あなたも、いなかに移住をしてみませんか?


いなか暮らし、家族で過ごす里山の日々   copyrght(C)2018,tomosige kusunose


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