2018年6月9日土曜日

いなか暮らし 沈下橋なんか早く撤去してしまおう 

沈下橋 または潜水橋とも呼ばれます。
最後の清流と言われる高知県の四万十川にかかるたくさんの沈下橋は有名ですし、高知県の仁淀川、徳島県の吉野川などにかかって観光の資源として使われています。

沈下橋とは、一般の橋からいうと、水面に近いところに作られ、増水時には水が橋の上を流れるように設計されています。沈下橋には欄干(らんかん)、手すりはありません。増水時に流れが橋を超えてしまう時にゴミなどが引っかからないように、欄干がつくられていない、それが沈下橋の大きな特徴です。


沈下橋なんか早く去しよう。あんなものは恥だ!



今は田舎の川の風景として観光地にもなり、みんなに大事にされている沈下橋。

写真は、高知県吾川郡いの町と日高村の境の仁淀川にかかる名越屋(なごや)の沈下橋です。

コンクリートでできていて、今でも生活道として使われています。

車同士のすれ違いは出来ませんので、橋に侵入する前に対岸から車が来てないか確認して渡り始める必要があります。

もし、橋の途中で車同士が鉢合わせしたら、この欄干のない橋をどちらかの車がバックしなければいけません。

運転になれてないとかなりこわいです・・・


仁淀川の沈下橋

観光資源として、わざわざ見に来る人がいる沈下橋。自然に溶け込む橋として人気です。


ですが実はこの沈下橋、「あんな沈下橋なんか早く撤去しよう、あんなものは恥だ!」といわれた時代があるんです。


沈下橋はしさの象徴?!

今から20~30年くらい前だったと思います。
沈下橋を早く撤去しよう!ということがよく言われた時代がありました。

実は沈下橋は、一般の橋より安い工事費で作ることができます。橋の支柱も短いし、欄干もない。
川を渡るために必要な橋が欲しいけれど予算が少ない。沈下橋ならば少ない予算で作れるので、少しでも多くの橋を作ることができる。そのかわり増水したら渡れなくなるけれど、その時は我慢してね、と四万十川や仁淀川にたくさんかかったのが沈下橋。

沈下橋はあぶない橋!?悲しい故も起きました



でも、増水すると川が橋を超えて流れる沈下橋。
増水時には、水が引くまで渡れなくなります。

現実に増水時に、車が流される事故が何件も起きました。

台風などで、橋の上を水が超え始めた状態で車で走ると川の流れも速いし、流されてしまうのです。
欄干などもないので、そのまま川に車ごと流されてしまう事故が毎年のように起きていました。


「沈下橋は貧しさの象徴、く撤去しよう!」


そんな意見が、地元の新聞などで目立った時期がありました。

実際にいくつかの沈下橋はそのころに撤去されました。

時代は変わる、意見は反転する。



それが、いつの間にか、「大切な観光資源だから守ろう」という時代になりました。

対岸の地区の人口が減ってしまって、沈下橋の利用者が減り、生活のための橋でなくなってしまったからかもしれません。

時代が変わる、意見が反転する。川の流れも沈下橋のある川の風景も変わらないのに、人間の意見だけが変わる。なんだか不思議な気持ちがします。

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